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2017年6月アーカイブ

管理費等滞納問題の解決策・・・・区分所有法第59条

区分所有マンションに於いて管理費・修繕積立金の不足は、維持管理に於いて大きな問題をですよね。
滞納する区分所有者に対して支払い請求をするも、支払い能力がない、もしくは行方が分からない等の場合は
その負担を他の区分所有者が負わなければならないという不公平さを生みます。
その継続的な滞納による未収金増加を断つ必要がありますね。そこで有効なのがこの区分所有法59条です。
今回はその要件と判例をご紹介いたします。

まず、区分所有法59条についてご紹介いたします。
※区分所有権の競売の請求
区分所有者が共同の利益に反する行為等を行い、共同生活上の障害が著しく共同生活の維持を図ることが困難である時は、集会の決議、訴えをもって区分所有者の区分所有権、敷地権利用権の競売を請求することができる。

では、平成24年9月5日判決の事例をもってご紹介いたします。
事案概要:

①区分所有者法人Aは平成20年11月から管理費等の支払いを怠り、平成24年1月1日現在で滞納額が、
140万8025円であった。
なお本件不動産の通常支払う管理費等は25万2360円です。

②区分所有者法人Aは平成21年10月に破産手続き開始決定を受け、平成22年2月に破産手続廃止決定が
されており、すでに会社としての実体はない。

③マンション管理組合全体における平成23年度の管理費収入は約1億9790万円、
修繕積立金収入は約2573万円です。

④本件不動産には訴外銀行の抵当権が設定しており、
その残債務額は278万2387円で他に未納租税等があります。

判示内容:

①管理費支払い義務は最も基本的な義務であるから、長期間にわたる管理費の不払いは、
「共同の利益に反する行為」に該当する。

②管理組合全体の管理費等収入に照らし滞納額は少額であるとの主張に対し、
上記滞納額が比較的少額であったとしても、滞納機関が3年に及び滞納額が100万円を超え、
今後も滞納が解消されず滞納額が累積していくと見込めば、「区分所有者の共同生活上の障害が著しい」
と言える。

区分所有法7条の先取特権の実行が存するとの主張に対して、競売買受可能額が128万円で、
未払い租税等を合計すると無剰余となる見込みが高いとして、区分所有法第59条の要件を満たすと
競売請求を容認した。

ここで注目しておきたいのは、従来の裁判では、
債務名義の有無、債務名義取得後の区分所有者の対応、滞納額が会計全体に与える影響、実害等が
考慮されているが、緩和されている。

また、判示内容上記③についても緩和されている。

ただ、このケースではいつくかの要素が重なり緩和されているが、
滞納問題の解決には管理組合としての管理費回収に向けた対応と、滞納者の悪質性、背信性の立証の
積み重ねが必要であると考えます。

3000万円控除VS3000万控除 

自己の居住している不動産売却の際に、一定の要件を満たせばそれに伴って生じた譲渡益から
3000万円控除をすることができますよね。
これが居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例です。

ではもうひとつの3000万円控除とは。。。
これは平成28年度税制改正で、親から相続した空き家の売却に対しても3000万円控除できると
いうものです。これは空き家の発生を抑制する特例措置で、
これを空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除といいます。

それではこの特別控除同士を戦わせてみましょう!

居住用財産の3000万円控除

父親が所有し、自己も居住し、所有期間35年のマイホームを売却

売却額 8000万円
所得費 2000万円
譲渡費用 400万円 とします。

この場合は、譲渡所得は8000万円-(2000万円+400万円)=5600万円
5600万円ー3000万円=2600万円
したがって、譲渡所得税は2600万円×14.21%=3,694,600円
これが(所得税・住民税)となります。
ちなみに14.21%は課税譲渡所得が6000万円以下の場合の所得税10.21%と住民税4%です。

つぎに
空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除

父親が居住していた空き家を子供A・Bで共有し相続したのちに売却
同じく所有期間は35年とします。(通算)

売却額 8000万円
所得費 2000万円
譲渡費用 400万円 とします。

この場合の譲渡所得は8000万円-(2000万円+400万円)=5600万円

子供A 5600万円×1/2=2800万円
2800万円-3000万円(空き家控除)=0円

子供B 5600万円×1/2=2800万円
2800万円-3000万円(空き家控除)=0円

よって譲渡所得税は子供A・Bともに0円となります。


このように空き家の3000万円控除は共有者一人一人に控除が受けられることから、
相続後の売却のほうが譲渡所得税が安くなる場合もあるということです。

当然この控除にも要件が必要ですのでご注意ください。

主だった要件を抜粋しておきます。
①相続により土地及び建物を取得
②相続直前に被相続人が1人で居住
③昭和56年5月31日以前に建築された区分所有されていない家屋
④相続から売却までに事業・貸付・居住の用に供していない
⑤譲渡対価の合計額が1億円以下。
⑥相続人が耐震リフォーム又は家屋を除去して売却
⑦平成28年4月1日から平成31年12月31日までに譲渡すること
⑧相続開始日から3年後の年末までに譲渡すること。