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2016年4月アーカイブ

近年、日本各地で地震がおこり、災害に対する対策で、
老朽化した賃貸物件の建替えを検討している貸主が増えてます。
現在空家であれば貸主のタイミングで修繕や建替えができますが、
賃貸中の物件ではそうはいきません。
この場合、賃借人への明渡し請求は可能なのでしょうか。

現行民法と改正民法の違いと対応策をご紹介いたします。

※借地借家法28条は建物の賃貸人による更新拒絶や解約の申入れは、
建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情、建物の賃貸借に関する従前の経過、
建物の利用状況及び建物の現況や立ち退き料の提示を考慮して、
正当事由が場合のみすることができるとしているため、
老朽化を理由に明渡は難しいのが現状ですが、東日本大震災後、
耐震性能の欠如を主張した場合にそれを正当事由として認める裁判例も増えております。

現行民法の場合は

賃貸人は、雨漏り等の賃貸借契約中に賃借人の生活に直ちに影響を及ぼす部分については、
修繕義務を履行する必要がありますが、賃借人からの耐震性能を指摘され、耐震補強を請求されても、
賃貸人はこれを拒絶することができます。そして、賃借人は修繕権がないため、
賃借人自ら耐震補強をすることはできません。
そして、賃貸人は耐震性能がないことを正当事由のひとつとして契約を終了するという主張ができました。

改正民法の場合は

改正民法では賃借人の修繕権が認められます。
「賃借物の修繕が必要である場合において、①賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、
又は、賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしない場合、
②急迫の事情があるとき
。」

※この場合、耐震補強工事が修繕にあたるかは、まだなんともいえないものではありますが、
解釈によっては修繕権の範囲とされる可能性はあります。

そして、現行民法の場合と違いで大事なのが、賃借人が自ら耐震補強工事※をすれば、
賃貸人は、耐震性能がないことを正当事由のひとつとして主張できなくなるということです。

ここで対応策ですが、
賃貸借契約の中で、「耐震工事等躯体に関する大規模工事にあたる工事は、ここでいう修繕等にあたらない」等
修繕権の範囲を限定する合意を締結しておくことが良いかと考えます。


不動産賃貸借契約で仲介会社や管理会社から賃貸保証会社の加入を必須条件と
なっていることが今や当たり前になってきておりますね。
借りる側からすると、イニシャルコストで保証料や更新料、
そして記入しなければならない事が多く、煩わしいと感じている方も多いかと思います。
しかし、これは不動産賃貸借契約期間中や退去後のトラブル回避に貸主側の保険のようなものなのです。

どういうことか例をあげてご説明いたします。

Aさん(賃借人)Bさん(賃貸人)とCさん(連帯保証人)の間で賃料10万円のマンションの
賃貸借契約が交わされました。その時の条件が、敷金20万円で賃貸借契約書には、
連帯保証人は、賃借人の債務を連帯して負うものとする。」と記載しておりました。
この契約後、1年経ったあたりからAさんは賃料を滞納し始め、
2カ月の滞納になった時にBさんは賃貸借契約を解除いたしました。

さあ、ここでトラブルです。
滞納の賃料は敷金を充当しましたが、通常損耗を除く賃借人の責めに帰す原状回復費用が100万円程かかります。

この場合は、Aさんに支払い能力がないのでCさんに請求することになりますね。
それが、現行民法では根保証の規定がないので、極度額の定めがなくてもCさんに100万円請求できます。

しかし、昨年提出された改正案が施行されると・・・・!
極度額をさだめなければ、その効力を生じないものとされます。
上記の「連帯保証人は、賃借人の債務を連帯して負うものとする。」には保証の極度額について記載しておりません。
よってBさんはCさんに一銭も請求できないのです。

これが、保証会社を必須にしている理由のひとつです。
ちなみに、保証会社を使わないで改正案での対策をするのであれば、
連帯保証人は、賃借人の債務について、100万円を限度に、賃借人と連帯して支払う。」
など、限度額を記載する方法が良いかと考えます。
法人保証人には個人根保証の規制は及ばないので賃貸保証会社が貸主側には必要なのです。

電力の自由化でマンション管理上で、メリット、デメリットを教えてください!
賃貸借契約の中で何か気を付けるべき条文等はありますか?
などなどいくつかの質問をいただきました。
実は、まだ弊社でも手探りの状態で今後起こりうる問題等を考えながら様子を見ているところです。

それでは質問の答えになっていないので、自由化に伴う基本的な内容等を少しご紹介します。

まず、電力の自由化とはですが、

今までは各地域の電力会社が「発電」、「送電」、「配電」を一貫して行っていました。
それがこのたび4月1日より電気の供給システムが、「発電事業」、「送電事業」、「小売り事業」の3つに分かれ、
新たに参入する事業者は「発電事業」と「小売り事業」のどちらか、または両方を出来るようになりました。
そこで、消費者が電力会社やサービス等を選ぶことができるようになったのが電力の自由化です。

それでは自由化による変更点は?

①まず、新規参入が増え、競争が活性化して、電気代が下がるようになるかと思いますが、
すべての電気代が下がるとは言えないので、現在の電気の使用量と電気代を調べることをおすすめします。

②住所地以外の電力会社を選ぶことも可能です。

③電気メーターの取替えが必要になることもあります。

④料金プラン

⑤電気料金の請求書がウェブは無料、紙の送付なら有料など。。。

⑥契約期間前の解約は違約金が必要になる場合がある。

プランやサービスは?

住んでいる地域によって選べる会社やプランが様々ですが、以下のようなメニューがあります。

①ライフスタイルに合わせた料金メニュー

②セット割、ポイント付与、各種特典やサービス

③シンプルに電気代の値下げ

④省エネ発電中心のサービス
(再生可能エネルギーを中心に発電する会社のプラン)

では、賃貸借契約に於ける注意点は!?

基本的には借主は、貸主の許可なく新規の電力会社と契約できます。
※マンション全体で一括して電力会社と契約する「高圧一括受電」等をされている場合を除きます。

しかし、貸主側が、借主に今までの電力会社から電力の供給を受けてほしい場合、賃貸借契約の時点で
「借主の希望で電力会社を変えない」旨の特約を入れることはできます。が!!
※ここで注意です。
この場合は貸主側に正当事由が必要となります。

また、賃貸借契約時に、借主が電力会社を変更したときに貸主への通知を義務付けることも可能です。
これは借主が不在の時に漏電等が起こった場合、早急に対応するためには、電気会社を把握しておくことは
大変重要な事として合理性があるからです。
逆にこれは、貸主、管理会社はすべての借主の電力会社は契約書等に記入して把握しておくべきです。