トピックス


2014年3月アーカイブ

今回は退職した場合の社宅と公務員宿舎の明渡しについてテーマを事例をあげてご紹介します。

まず社宅の場合ですが、

①社宅に住まいのAさんは近隣相場と同等の家賃を支払い社宅に住んでいました。
今回、Aさんは定年前に依願退職をすることにしたところ、会社から退職後直ちに社宅を明け渡すように要求されました。
さて、直ちに明け渡さなければならないのでしょうか。

次に公務員宿舎の場合です。

②Bさんは国家公務員です。2年後に定年退職する予定です。
定年退職後、直ちに公務員宿舎を明け渡さなければならないのでしょうか。

ここでポイントになるのが、借地借家法の適用があるかどうかです。

こんな判例もあります。
従業員専用の寮の使用関係において、世間並の家賃相当額を使用料として支払っている等の事情が認められるときは、
その使用関係を賃貸借と判断して妨げないとして、借地借家法の適用を肯定した例があり、反面、低額の使用料しか支払っていない場合に社宅使用関係を賃貸借関係ではない特殊な使用関係として、借地借家法の適用を否定した例もあります。
このように、使用料が使用の対価性をもつかどうかを重視する判例の考え方によれば、
①のケースは借地借家法の適用をうけ、会社による正当事由が発生後、6カ月の明渡し猶予が与えられます。

それでは②の公務員宿舎の場合も同様かといいますと...

結論は20日以内に明け渡さなければならないのです。
その理由は、国家公務員に貸与される公務員宿舎は、公用財産に属し、その使用関係については、
国有財産法の特別法である国家公務員宿舎法が規律しています。
(公務員宿舎を含む行政財産の使用収益については、借地借家法の適用はありません)
しかし、これにも相当の事由がある場合には、維持管理機関の承認を受けて、一定期間使用することができます。
この最大期間は6カ月です。

賃貸借契約でペットの飼育を禁止する特約を締結することは有効です。
ではその特約に違反すれば即時明渡し!?
実は、ただちに解約はできないのです。この場合、賃貸人との信頼関係が破壊されたといえる場合に、
契約が解除となります。
だからと言って、契約条項に違反した賃借人が守られるというわけではないのでご注意を!

それでは、ペットの飼育を禁止する特約を締結していない場合で飼い主のしつけが悪く、近隣に迷惑をかけている場合は!?
この場合は、賃借人の用法義務違反であり、警告しても飼育方法を改善しない場合は、
賃貸人との信頼関係が破壊されたとして契約を解除することも可能となります。

ここでペットトラブルでの判例をご紹介いたします。

①共同住宅の1室の賃貸借において、犬猫等の家畜を飼育してはならない旨の特約に違反し、前記住宅内で野良猫に餌を与えたことを原因とする契約解除が認められた事例 (新宿簡判昭和61・10・7 判時1221号118頁)

②犬・猫等の飼育禁止の特約に違反したとして、共同住宅の部屋賃貸借契約の解除が認められた事例
(東京地裁昭和59・10・4 判時1153号176頁)

③建物の賃貸借契約にいおいて賃借人が賃借する部屋で犬を飼育してはならない旨の条項は借地借家法30条、民法90条に
違反するものではないと判示した事例  (東京高判昭和55・8・4 判夕426号115頁)

④猫飼育禁止の特約違反等の信頼関係破壊を理由とするマンション賃貸借契約の解除が有効と認められた事例
(東京地判昭和58・1・28 判時1080号78頁)

⑤賃借建物で犬を飼育したのは、建物賃貸借契約に反するとして同契約を解除し、建物明渡しを求めた事案について、
被告が建物内で犬を飼育することは、特約に違反するものであるとしても、本件賃貸借契約の基礎となる賃貸人、賃借人間の
信頼関係が破壊されるに至ったとは認められないなどとして、賃貸人の請求を棄却した事例。

(東京地判平成18・3・10)

⑥犬を飼育すること自体は何ら責められるべきことではないが、賃貸の共同住宅においては、犬の飼育が自由であるとすると、
その鳴き声、排泄物、におい、毛等により当該建物に損害を与えるおそれがあるほか、同一住宅の居住者に対し、迷惑又は損害
を与えるおそれも否定できないのであって、その様な観点から、建物内における犬の飼育を禁止する特約を設けることにも合理性がる。そうすると、被告が、本件建物内での本件犬の飼育の仕方に意を払っていることはうかがわれるとしても、動物等飼育禁止の特約がある以上は、賃借人として右特約を守らなければならないというべきである。と判示した事例。
(東京地判平成7・7・12 判時157797頁)

⑦居住用の目的でした建物賃貸借契約において、当該建物内で猫等の家畜を飼育してはならないとの特約がない場合であっても、猫等の家畜を飼育することによって、当該建物を汚染、損傷し、さらには、近隣にも損害ないし迷惑をかけることにより、賃貸人に苦情が寄せれるなどして、賃貸人に容易に回復し難い損害を与えるときは、当該家畜の種類及び数、飼育の態様及び期間並びに建物の使用状況、地域性をも考慮したうえで、なお、家畜の飼育が居住に付随して通常許容される範囲を明らかに逸脱して、賃貸借契約当事者間の信頼関係を破壊する程度に至っていると認められる限り、右家畜の飼育は、賃貸借契約における用法違反に当たるというべきであると判示した事例 (東京地判昭和62・3・2 判時1262号117頁)

消費増税における賃料の改定の際に気をつけてください!

まず確認いただきたい事は、消費税の税率引き上げは法律で強制的に適用されますが、
その効力をもって賃借人に対抗できないということを覚えておいてください。

つまり、消費税が上がったから賃料も当然にあがりますよ!は通用しません。
そして、このような賃料表示も気を付けてください。
以下のような場合はどう解釈いたしますか?

①10,500円(消費税込)
②10,500円(消費税500円/5%含む)
③10,000円(消費税500円/5%別途)
④10,000円(消費税別途)

今回は、消費税の増税の際に賃料トラブルを未然防止する為の方法をご紹介します。

2月と3月のtopicでもご紹介しましたが、課税対象は事業用建物や駐車場などが主です。
そして、賃貸借契約の場合は、4月分の賃料の支払時期が3月中であったとしても新税率の適用になります。

それでは、上記の①~④のパターンについてご説明させて頂きます。
①10,500円(消費税込)
この場合は、税込賃料が確定されているようにとれますので、賃借人の承諾をとらなければ改定は難しいでしょう。

②10,500円(消費税500円/5%含む)
この場合は消費税相当額が明示されていますが、税率変動に応じて当然に改定と読み取るには難しいと思います。
一般的な解釈では税込表示はその総額で賃料を合意したものであり、改定には承諾が必要と考えます。

③10,000円(消費税500円/5%別途)
この場合は、税率の変動に応じて消費税相当額が変動すると解釈できると思います。

④10,000円(消費税別途)
この場合は、その都度、税率に応じた消費税相当額を加算するという、
③よりも合意による解釈ができる表示となるでしょう。

この③、④の表示よりもやはり、個別に書面での改定の合意をとることが確実ではあります。

そして、2015年10月1日からは消費税が10%になる予定です。
そこで、これから賃貸借契約を締結する場合には、以下のようなことを注意ください。

①賃料表示は税抜、税込表示の場合は消費税相当額を明示する
10,000円(別途消費税500円)
10,500円(現行5%の消費税相当額を含む)

②消費税(地方消費税を含む)の税率が変動した場合、それに応じて消費税相当額も当然に改定されるものとする。

賃貸人からの明渡請求における正当事由とは

賃貸借契約では賃貸人からの正当事由が認められれば借主に対して契約の解除を申し入れることができます。

借家法には「自ら使用する場合、その他正当の事由があるとき」と記載されています。
何が正当事由かわからなければ安心して住めないですよね。
それでは、正当事由とは!?

今までの判例をもとにご紹介させて頂きます。
この判例は一般的な事情であり、個々の具体的条件により異なる場合もあります。

①賃貸人が自己使用を理由とする場合、その必要性は、借家人のそれと比較する。

②家族数が正当事由を判断するに当たって斟酌され、借家人の家族に病人がいる場合などは、
明渡しを困難にする原因になることがあります。

③賃借人と賃貸人の資力が左右する。
(もし、賃貸人に他の家を求めることができる資力があるならば強いて明渡しを求める必要はないとみなさる。)

④賃貸人と賃借人の職業
(これも上記の資力にかかわることですが、家屋の存在場所と職業が密接に関連する場合を判断基準とする。)

⑤建物の現況
(建物の老朽化の程度、補修の費用額等が考慮されます。)

⑥賃借人の転居先
(この場合、転居先が多少不満でも我慢すべきであるという下級裁判所の判例もあります。)

これは一般的正当事由の判断の基本事情ですので、賃借人は、明渡しの請求があっても、
それが「正当事由」に当たるか当たらないかは管理会社等にご相談ください。

家屋を賃貸している中で、隣地からの失火で類焼してしまったケースをもとに、
賃借人の請求範囲と賃貸人の義務についてご紹介します。

賃借人としては、借家権を主張したいものです。
その場合、貸主はどこまで修復をしなければならないのでしょうか。

借家契約の目的物が火事で全部焼失してしまうと、借家権は当然終了します。
そして、借地権と違い、借家権も消滅します。

しかし、一部焼失ならば借家権は残ります。
これは、賃貸人は賃借人に対してその家屋(目的物)を使用収益させる義務があるので、
一部焼失程度であれば、修復しなければなりません。

結果、このようなケースの場合は残存部分について修理が可能かどうかで決められます。

それでは、隣地からの失火の場合は隣地に損害賠償はできないのでしょうか。

これが、線引きが難しいところで、「失火の責任に関する法律」という法律が制定され、
意図的な場合、重大な過失がなければ失火による損害賠償の義務はないとされています。

ですから、火事による現場検証は大きな要因になります。

では、借家人の失火による焼失は・・・

この場合は、上記の法律とは異なり、賃借人は「善良なる注意義務をもって管理しなけばならない。」
義務があります。ですから、小さな過失でも債務不履行による損害賠償をしなければならないのです。

古びた商業ビルを建てなおす為に、賃貸人が賃借人に明け渡しを求めてきた場合ですが、
賃借人としては建物が新しくなるなら一時退去をしても再入居できるならと考えるでしょう。
そこで出る不安要素は、本当に優先して再入居できるのか?ではないでしょうか。
そして、賃料、保証金、その他費用も現状と同様金額を確保したいと考えるでしょう。

そこで今回は、「一時退去・・賃借権を維持しそして建直し後に優先して再入居できるのか!」
についてご紹介します。


まず、一般的な賃借権ですが、一度退去して建直しするビルに賃借権を移行させることはできません。
それでは、話が終わってしまいますね。

①そこで、新しいビルに賃貸借契約の予約契約を締結しておくことをおススメします。

②この場合、店舗についての賃貸借の予約契約を平面図などで場所を特定し、公正証書で締結します。

③その際に、新しいビルの賃貸条件(賃料、保証金、権利金など)も定めておきましょう!

④契約条文では、「当事者間において何ら意思表示がなくても、建物賃貸借契約が発行する」
そして、いつから始まるのかを明確にする始期付賃貸借契約を付け加え、賃貸人の債務不履行があれば、
損害賠償金を支払うという、賠償額の予定もすることです。

それでも、賠償額を払っても第三者に貸そうとする場合も考えられます。
⑤このような事態を防ぐためにも、占有移転禁止の仮処分を申請して、占有移転禁止の仮処分命令を裁判所からもらう事で
100%といえませんが、再入居の可能性は高くなります。

上記①~⑤の手続きも大事ですが、日ごろの賃貸借関係が何よりも大事であると思います。

い草の香りの良さを感じてみませんか。
http://www.youtube.com/watch?v=8ruvPqIFDgs

突然の出張などで家を空けることになったとき、
少しでも収入を上げるために賃貸にする人も少なくないと思います。
ここで注意しなければいけないのが、契約の方法です。

普通賃貸借を結んでしまうと、借地借家法29条の規定で1年未満の期間の定めがある建物の賃貸借契約は、
期間の定めのないものとみなされます。これは、貸主様から借主様への解約の申し入れは、
6ケ月前、そして正当事由が必要になります。ですから、数カ月だけの賃貸には不向きな契約です。

それでは、定期借家契約なら。
字のとおりこの契約なら、期間満了後に確実に引渡ししてもらえますし、1年未満の契約も可能です。
ただし、契約には事前説明と書類の交付、法律知識が必要ですので、
不動産仲介業者や弁護士に相談することをおススメします。

数か月だけなのに、そんな面倒な手続きは...と思いの方にはこんな方法が。

一時使用契約です。これは期限が来れば明け渡し請求はできます。
しかし、これも資材置き場や一時的な事務所などには適しておりますが、
短い期間でも住居として貸す場合には一時使用が認められずに、
借地借家法の期限のない契約になってしまう場合があります。

結果、少々手続きが面倒でも定期借家契約を使う方が安全ということになります

フリーレントとは入居当初の数か月間の賃料を0円にすることと考えてください。

なぜそんなことを!?と思われますよね。
新築や駅近くなど条件の良い物件は決まりやすいのですが、築年数も経ち、
立地条件も劣る場合はこのような方法で借主様に少しでも興味を持っていただけるように使う手段のひとつなのです。
たとえ数か月家賃が入ってこなくても貸主様は空室対策としてよく用います。
借主様も契約には「敷金」「礼金」「仲介手数料」「引っ越し費用」など多く費用が掛かりますので、嬉しい材料です。

それでは、貸主様、借主様の双方が喜んでいただけるならなんの問題も...。
このフリーレントで注意していただきたいのが貸主様です。

それは、短期間で退去されると結果的に収益悪化と募集時期を逃す。
つまり、2ヵ月間の賃料を0円にして3か月で退去されると、1カ月の収益はあっても修繕費等がかかり、
かつ、募集に良い時期を逃してしまうことになりかねます。

このような事態を回避するために以下のような特約をつけるとよいでしょう!

①本契約の契約期間にかかわらず、賃借人の賃料支払い義務の発生日は、
3か月後の平成○○年○月からとする。

②賃借人は、前項によりフリーレント期間(3か月)が設けられていることから、
本契約については期間途中で解約できないものとする。なお、本契約更新後はこの限りでない。

③前項に違反して賃借人が期間満了前に本契約を解除する場合には、
違約金として、解約日から期間満了日までの間の賃料相当額及びフリーレント期間と
同一期間分の賃料相当額の合計を、直ちに賃貸人に支払うものとする。