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2013年10月アーカイブ

マンションで管理費といえば、共用部分の維持管理をイメージされると思います。
近年、インターネット設備があるマンションではネットの使用料込みで
管理費を徴収しているものも多いのです。 ここで、疑問を感じる方もいるかと思います。

ネットを未使用を理由に管理規約で決まったネット使用料込みの管理費の支払いを拒否できるのか。

今回は、この疑問を判例でご紹介します。

事案の概要

本件マンションは、全住戸にインターネットを常時接続できるサービスがあり、管理規約で区分所有者は
月額2000円の利用料金を管理費に含めて支払うことになっていた。
しかし、区分所有者のYはネット未使用を理由にネット分の管理費を拒んだため、管理組合は、
①ネット料金を含む管理費、②水道使用料(水道代も管理費に含まれている)③弁護士費用(相談料)
そして、完済までの弁護士費用の遅延損害金を請求する裁判を起こしました。

これはネット未利用の区分所有者も管理規約に則り支払うべきか。
これは区分所有者間の利害の均衡が図られているのか。

判決の要旨

本件インターネットの設備そのものは区分所有者が共有するマンションの資産であるから、
その保守管理費用は資産価値の維持ないし保全に資するもので、費用は区分所有者が一律に負担すべき。
また、全戸に一律ネットサービスが提供されていることは、マンションの価値増大に資するものだから、
利用の有無にかかわらず、費用支出による利益を受けているものである。
管理規約は区分所有法の趣旨に照らしても利害の均衡が図られていないとはいえない。

よって、
①ネット料金を含む管理費、②水道料金、③弁護士費用の支払いを命じた。
ただし、遅延損害金の支払いについては棄却されている。


国外財産調書制度とは・・・5000万円超で提出

平成24年の税制改正で創設された制度で、平成25年12月31日における国外財産の
保有状況を記載して、平成26年3月17日までに提出していただくことになります。

それでは、この制度の概要をご説明します。

①提出義務者

その年の12月31日において、その価額の合計額が5000万円を超える国外財産を有する居住者

②提出期限と提出先

国外財産調書を翌年3月15日までに所轄の税務署長に提出
※平成25年12月31日における調書は、平成26年3月17日までに提出

それでは、その国外財産の価額はどのように算出されるのでしょうか。
これは、「時価」または時価に準ずるものとして「見積価格」によることもできるとされています。
外貨で表示されている財産の邦貨換算は調書提出者の取引金融機関が公表する12月31日
における最終の為替相場によるものとし、当日にない場合はもっとも近い為替相場となる。

通貨以外の国外財産を見積価額で評価する場合の例示

①土地(以下のいずれかの価額)

(1)その財産が所在する国において固定資産税に相当する租税が課されている場合、その課税標準額。

(2)その財産の取得価額を基にその後変動を合理的な方法によって見積もった価格。

(3)翌年の1月1日から調書の提出期限までにその財産を譲渡した場合、その譲渡価格。

②建物(以下のいずれかの価額)

(1)その財産が所在する国において固定資産税に相当する租税が課されている場合、その課税標準額。

(2)その財産の取得価額を基にその後変動を合理的な方法によって見積もった価格。

(3)翌年の1月1日から調書の提出期限までにその財産を譲渡した場合、その譲渡価格。

(4)業務用に供する資産以外のものである場合には、取得価格からその年の12月31日における
経過年数に応ずる償却費の額を控除した金額

③預貯金

その年の12月31日における預入金
ここで注意ですが、日本の銀行の海外支店に預入している場合は国外財産と判定される。

④非上場有価証券 (1)(2)(3)の順に検討した価額

(1)その年の12月31日の売買実例価額のうち、適正と認められる価額。

(2)翌年の1月1日から調書の提出期限までにその財産を譲渡した場合、その譲渡価格。

(3)取得価格

上記のように、国外財産が5000万円超所得の場合は国外財産調書の提出が求められます。
これを提出しなかった場合には、の過少申告加算税等の加重措置や懲役または罰金に処せられます。


火災事故の法的責任

今回は、最近よくニュースでも取り上げられる火災事故の際の建物責任者に対する
法的責任がとられた事案です。 人の生活、生命を預かっていくうえで、災害に対する怠慢さが大きな事故を
引き起こす事を、オーナー様、管理会社の方には再認識していただきたい。

事案の概要

歓楽街に所在する5階建ての雑居ビルにおいて、3階EVホール付近から火災が発生。
事故当時、階段やEVホールには各テナントによって置かれた物品が多数あり、店舗内の煙感知器や防火扉も
作動しなかった。そして多くの死傷者が出た。
ビルのオーナーや管理会社の代表者は、本件ビルの階段やEVホールに置かれた物品の撤去や、
煙感知器等の維持管理を適切に行われたなかった。 

判決の要旨

①本件ビルの階段やEVホールにおける物品の放置状態が解消され、防火扉が正常に作動するよう
維持管理されておれば本件事故の結果は防げた。

②ビルオーナー及び管理会社は、本件ビルの階段やEVホールにおける物品の放置状態を解消するとともに、
防火扉等が自動的かつ正常に閉鎖するよう維持管理すべき義務があった。

③本件ビルは、不特定多数の人が出入りする雑居ビルであるので、いったん火災が発生すれば、
従業員や客の生命、身体に危険を及ぶおそれが高い構造物で、近隣の火災発生件数や出火事例、
本件ビルの消防用設備の管理不十分な状態についても認識していたことからすれば、
オーナー及び管理会社は本件ビル内での火災発生とその重大な結果につき予見できた。

④オーナー及び管理会社は上記の義務を怠った過失がある。

よって裁判所は、オーナー及び管理会社代表に、業務上過失致死傷罪の成立を認め、
禁固3年、執行猶予5年を与えた。

まず、自力救済禁止の原則についてですが、過去のtopicでも取り上げさせていただきましたが、
それについてご紹介します。 
一般的には、「法的手続によらないで私力の行使(実力行使)をもって自己の権利を実現すること」をいいます。
昭和40年の判例では例外的に認められたケースもありますが、原則的には禁止です。

さて、今回の事例ですが、貸主と管理会社のこんな行為が不法行為責任として認められました。

事案の概要

賃貸借契約が裁判所の確定判決により解除されたにもかかわらず、借主はその後も建物に居住し続け、
一方、貸主は、賃料相当損害金を受領し続けていた。そこで、貸主及び管理会社は追い出しのために
ドアの鍵部分にカバーをかける、貼り紙を貼ったり(荷物の処分を思わせる文章)などの行為を行った。

判決の要旨

管理会社の責任

①借主宅に貼り紙をはったり、ドアの鍵部分にカバーをかけるなどの行為を行った。

②荷物の処分を伝える貼り紙によって、借主は強迫観念を植え付けられ、借主が入室できないように鍵部分に
カバーを掛ける行為は社会的行為として認められない。そしてその行為により、現金も着替えもない状態で、
車内での寝泊りを余儀なくされた。

貸主の責任

①事案の概要にもあるように、本件の賃貸借契約は、裁判の確定判決で
債務名義を得ているのにもかかわらず、公権力による明け渡しを実行せず、
しかも借主の居住を黙認したうえ、借主の滞納家賃を管理会社に委任したので、
貸主にも不法行為責任が生じる。

ここで注意ですが、貸主にも責任があると判断された要因には、今回の事案は委任者と受任者の間に
指揮監督の関係が残されているとされ、民法上で貸主にも不法行為責任があると認められた。

民法第709条  民法第715条  


ここで追加でご紹介します。

鍵のカバーや財産の処分に関して、連帯保証人の要請ないし、同意を認めることができたとしても、
貸主及び管理会社の違法性の判断に影響を及ぼすものではない。
連帯保証人と言っても、借主が部屋を使用できない状態にする権限はないことにご注意を!!


住宅ローン控除の拡充とすまいの給付金の支給

消費税の引き上げを受け、住宅等取得者の負担増を緩和するため、
住宅ローン控除の拡充と、同控除の効果が十分に及ばない収入層に対しての
すまいの給付金の実施が決まりましたね。

それでは、住宅ローン控除はどう拡充??

住宅ローン控除の拡充

平成26年4月から平成29年末までに借入で住宅を取得、
特定の増改築等をした場合に適用されます。

そしてその最大控除額は、

一般住宅の取得で400万円(現行は200万円)
認定長期優良住宅等の取得で500万円(現行300万円)

その減税による住民税からの控除上限額も増え

年13万6500円(現行9万7500円)に引き上げられます。

このローン減税は支払っている所得税から控除する仕組みなので、
収入が低い人にはあまり効果がないのです。
そこで、ローン控除の負担軽減効果が十分に及ばない収入層へ
すまいの給付金を創設した。

すまいの給付金とは、

給与収入がおおよそ500万円以下の住宅購入者に所得に応じて
10万円から30万円を支給する(税率8%時)

ここで注意です!

新たなローン減税、すまいの給付金ともに対象は平成26年4月以降に
引き渡される住宅等の購入者からです。
ただ、平成26年4月以降でも経過措置で5%の税率が適用される場合や
消費税が非課税の個人間売買などは、現行の減税措置が適用されるほか、
すまいの給付金は支給されないので注意ください!


抵当権設定時に登録免許税が非課税に!? 

会社経営、個人経営問わず事業融資は切っても切れない関係ですよね。
そして、不動産を保有している場合は、担保にして融資を受けるかと思います。
その際によく聞くのが、金融機関が設定する抵当権、根抵当権です。

今回のtopicのテーマに入る前に抵当権と根抵当権の違いについてご紹介します。

抵当権

金融機関がひとつの借入金につき、ひとつの担保を設定する権利で、
その借入金の返済が終われば、抵当権は自動的に消滅します。

根抵当権
同一金融機関から何度も借り入れを繰り返す場合等に、一定の金額の枠の
範囲で担保を設定する権利で、ひとつの借入金の返済が終わっても
自動的に消滅しないのが特徴です。
根抵当権の消滅事由は、当事者同士の解除契約によって消滅します。

さて、ここから紹介するのが登録免許税です。
上記の権利を設定する場合に登録免許税が発生します。

原則は抵当権の設定時には、債権額の0.4%
根抵当権の場合は、極度額の0.4%を乗じた金額です。

※登録免許税には軽減措置もあります。

そんな大きな税が非課税に!?
これには一定の条件が必要になります。

大前提は日本政策金融公庫での借入です。

そして個人と法人でのそれぞれの一定要件があります。

個人での借入
登記申請の日の6か月以内に作成されてた住民票や印鑑証明書を
登記申請書に添付

法人での借入
資本金額が5億円以上でない法人で、登記申請の日の1カ月以内に
作成された登記事項証明書を添付

これはあくまで、登録免許税の非課税だけを考えたものなので、
事業借入等を行う時には、他の金融機関との折衝をしてもっとも
有利な融資を受けれる努力は必要です。