トピックス


2011年7月アーカイブ

役員給与等に係る給与所得控除の見直しの先には・・・

役員報酬1億円以上、目指したいものの一つとしておきたいものですね。平成23年3月期決算の上場企業2533社のうち、1億円以上の報酬を受けっとった役員がいる企業は172社、役員数は297人(東京商工リサーチ)。最高額は日産自動車のカルロス・ゴーン社長で9億8200万円(982,000,000数字を並べると改めてすごいなあ)さて、23年度税制改正大綱には、これら役員給与等に係る給与所得控除の見直しが盛り込まれていた。現在は年収1000万円超だと、年収の5%の給与所得控除が認められるが、大綱は年収2000万円超えの役員給与に係る控除を縮小し、年収4000万円超えは125万円を上限するとしている。ただ、現時点では改正は実現されておらず、審議のめどもたっていない。実現すると、年収1億円の役員は約270万円の増税となる。役員報酬は責任に比例し受け取る金額も当然高くなってよいと思います。あるところから取るということであれば、まず宗教法人にメスをいれてはいかがでしょうかね。。。

連結子法人などの繰越欠損金の引継要件の緩和

平成22年に改正された「子法人が保有する繰越欠損金の引継制限の緩和」ですが、そもそもこの連結納税制度とはですが、対象各社の所得と欠損を通算し、グループ内の取引から生じた内部取引損益は対象資産がグループ外に売却されるまで課税の繰延ができるというものです。今まで、連結子法人が保有する繰越欠損金の引継はなぜ認めてもらえなかったのか、それは以下の理由です。ひとつは、構造的な理由として、連結納税によって、連結子法人は、単体納税から連結納税という新しい納税単位になるため、あらたな納税単位で利用する事は許容されないという点と、実務的な理由として多額の繰越欠損金を保有する休眠会社を利用する事によって、租税回避行為が横行する事を防止するためです。しかし、22年度の改正では、実質的なグループとして機能しているケースであれば、租税回避としての目的は薄いとして、いくつかのケースに限定はされていますが、連結子法人が保有する連結納税開始または加入前の繰越欠損金は引継可能としました。また、繰越欠損金の利用範囲についても、当該子法人の課税所得の範囲内とすることによって、構造的な理由について対処するとともに、結果として、単体経営の場合と比較して不利益がないような仕組みとしました。

低廉譲渡と低額譲渡

低廉譲渡・低額譲渡双方よく似た言葉で意味合いも、時価より低い金額で資産を譲渡することです。それではなぜ、低廉譲渡と低額譲渡の2通りのいい方をするのか?それは、法人税(低廉譲渡)と所得税(低額譲渡)では取り扱いが異なる為です。低廉譲渡を行った場合には売主と買主双方に課税関係が生ずることとされます。例をあげますと、赤字の子会社を支援するために親会社の所有する時価5000万円(簿価1,000万円)の土地を子会社に簿価で譲渡し、子会社が時価で売却し売却益を得た場合。子会社は差額4000万円の受贈益を計上する事になります。親会社と子会社との関係では利益は生じませんが、子会社が土地を売却すれば利益があるのであるはずの利益を売却益として計上しなければなりません。上記の際に親会社で仕訳計上される寄付金は第3者相手なら当然に受けた4000万円の利益を寄付したことになりますが、法人税法では不自然な取引に対してみなし課税を設けておりますので、寄付金の損金額に制限をつけ、全額が損金不算入になることもあります。その結果、低廉譲渡を行った時は、購入側では益金として受贈益が計上され、売却側には時価と譲渡金額の差額に益金が追加計上され双方に課税負担が生じます。それに対し、個人間譲渡の場合、所得税法にはみなし課税はありません。所得税法は売買金額にしか課税が及ばず、低額譲渡を0円で行った場合、譲渡側に所得税はかかりません。ただし、贈与、時価を下回る価格による譲渡があれば、大きな贈与税がかかります。このような税負担を極力すくなくするために、相続税精算課税制度や種類株式等をつかい有効な財産分与を行って下さい。

熱中症の予防法と応急処置・・・夏を乗り切りましょう!

今年の夏は例年にない暑さと全国的に節電を推進している中での生活を送ることになりそうです。当然、節電はこれからも引き続きしていくべきだと思います。そんななかでいかに熱中症にならないように生活していくかそしてなってしまった時の応急処置法をご紹介いたします。そもそも熱中症とは、熱い環境で生じる障害の総称で、熱失神、熱けいれん、熱疲労などに分けられます。熱中症は梅雨の合間の気温が上昇した日や、梅雨明けの蒸し暑い日などの体が暑さになれていない状態の時にも発症します。また、高齢者は若い人に比べて暑さを自覚しにくく、室内にいても発症する事がありますので注意が必要です。若いからといって油断は禁物です。健康な人でも睡眠不足、朝食を食べてない、前の日に深酒をしたなどの時は熱中症を発症しやすくなるので、油断は禁物です。そこで熱中症の症状がみられたらの応急的な処置ですが、まず風通しの良い場所に移り、衣服を緩め、体に水をかけるなどをして、体からの熱を放散させることです。そして、水やスポーツドリンクなどを補給します。そこで、太い血管のあるわきの下の首、足の付け根などを氷や保冷材を当てて冷やすと効果的です。これはあくまで応急処置ですのですぐに医療機関に搬送する事がもっとも大事です。
熱中症予防の主なポイントを大きく3つのポイントにわけてご紹介いたします。暑さを避ける(1)屋外ではなるべく日陰を選んで歩く。(2)直射日光の下では、必ず帽子や日傘を利用する。(3)室内ではすだれやカーテンなどで直射日光を防ぐ。(4)部屋の風通しをよくしたり、エアコンを適度に利用したりして、涼しい環境をつくる。こまめに水分を補給する。(1)のどが渇いていなくても、あまり体を動かしていなくてもこまめに水分を補給する。(2)湿度が高い日、風がない日は特に水分補給を心がける。(3)水分補給にはビールや甘いジュースなどは控え、水やお茶、スポーツドリンクなどがよい。(4)汗の量が多い時は塩分補給もわすれない。服装に気をつける。(1)通気性、吸湿性、速乾性のよい素材を選ぶ。(2)輻射熱を吸収する黒系の素材は避ける。(3)吸汗、速乾素材や軽涼スーツなどを活用する。(4)できればネクタイをはずすなど、襟元は緩めて通気性をよくする。上記のような事を心がけて暑い夏を無事に乗り越えましょう。

義援金に関する税務上の取り扱い(法人)

東日本大震災よりすでに4ヵ月が過ぎ、メディアの報道も少なくなってきて永田町の次元の低い(私的には)討論が繰り返され被災地の関心が薄れているように思います。震災を受けた神戸人として、いつまでも応援していきます。まだまだ義援金等の支援が必要な状態です。今回は企業が以下のような義援金等を支出した場合においての税務上の処理を紹介します。もっともっと大きな力が被災地に届きますように。
①県の災害本部や義援金配分委員会に対して行った義援金の取り扱い・・・国等に対する寄付金扱いになり全額損金に算入されます。②日本赤十字社の「東日本大震災義援金」口座に対して義援金を支払った場合・・・国等に対する寄付金扱いになり全額損金に算入されます。③社会福祉法人中央共同募金会に対して義援金を支払った場合・・・中央共同募金会ではA「各県の被災者の生活再建のための義援金」とB「地震災害におけるボランティア・NPO活動支援のための資金」との2つの口座が設置されています。Aの口座に支払った義援金は国等に対する義援金に該当し、Bの口座に支払った義援金は指定寄付金に該当します。A・Bともに全額が損金に算入されます。④被災地域の救援活動・被災者への救護活動を行っているNPO法人に対する義援金を支払った場合・・・NPO法人が国税庁から認定を受けたものであり、支払った義援金が特定非営利活動に係る事業に関連するものである場合には寄付金に該当し、「特定公益増進法人に対する寄付金」に含めて損金算入額を計算し、(特別損金算入限度額)その範囲で損金に算入します。⑤法人が自社製品を被災者に提供する場合・・・法人が不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄付金又は交際費等には該当せず広告宣伝費に準ずるものとして損金算入されます。他にもいろいろな方法で寄付や義援金で被災地に援助できると思います。私も小さいことからではありますが引き続き支援していきたいと考えております。


HPの製作費用は...

HPは今や会社の顔となっており、無くてはならない広告宣伝の媒体となっていますね。HPを製作しその費用は法人税上どのような処理が必要なのか、税務調査官と会社側では主張が違っていると思います。税務署としての見解はホームページの効果は長期にわたるものとして、繰延資産として資産計上すべきと考えてきますが、ホームページの情報等は頻繁に更新され、その効果は短期的なもので一時の損金として処理する事が可能です。ただし、ホームページの製作費用の中に、オンラインで商品を購入したり、商品を検索する事が可能となるようなプログラムの作成費用、ソフトウェアの開発費用が含まれている場合には、そのプログラムの製作費用については無形減価償却資産として資産計上し5年で償却する必要があります。ですから、ホームページの製作費については、ソフトウェアに該当する部分を除き、資産計上する必要がないことに留意する必要があります。なお、ホームページの内容が更新されないまま使用期間が1年を超えるようなものであれば、その製作費用はその使用期間に応じて償却計算する必要があります。

敷き引き特約を有効とした最高裁判例

賃貸借契約におけるトラブルで一番多いと思われるのがこの敷引きによるもので、貸主側としてはたいへん頭の痛いものであったと思います。それに追い打ちをかけた消費者契約法10条に該当せず敷き引きが有効とされた判例を紹介します。平成14年より保証金100万円(うち預託金40万円、敷き引き60万円と特約)契約期間2年間で賃料17.5万円のち第1回目の更新時に17万円と変更後、2回目の更新後に契約が終了した。貸主が60万円を差し引き返還したところ上記特約は消費者契約法10条により無効として借主が敷き引き分の返還を求めた事案です。
これを有効とした裁判所の判断は、以下の内容を述べて消費者契約法10条に該当せず返還する必要はないとしました。
①貸主が契約の条件として敷き引き特約を定め、借主がこれを明確に認識したうえでの賃貸借契約に至ったのであれば、貸主借主双方の経済的合理性を有するとみなす。②敷き引きの額が賃料の額等に照らし高額にすぎるなどの事情があれば格別、そうでない限り、これが信義則に反して消費者である借主の利益を一方的に害するものということはできない。③賃料における敷き引きの額が3.5倍程度にとどまり高額すぎると言い難くまた、近傍同種の相場と比して大幅に高額であるとも伺えない。上記のような判例が出たことで次のような注意が必要となってきました。負担等つき借主が明確に認識したと評価されるような契約書の記載が必要であり、また金額についても単に賃料との比較だけでなく、近隣相場との比較などの調査も必要です。上記のような3.5倍が有効だと認識しないことです。

更新料特約を有効とした最高裁判決

契約書に明記された更新料条項は無効であるとして借主が貸主に対して支払い済み、敷金から差し引かれた更新料の返還を求めた事案の最高裁判決がありました。裁判所は以下の内容を述べ、更新料条項は消費者契約法10条に該当せず有効であり、貸主は更新料の返還義務はないとしました。(消費者契約法10条とは消費者の利益を一方的に害する条項の無効)①更新料は、一般に、賃料の補充ないし、前払、賃貸借契約を継続するためのもの対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものであり、経済的合理性がないとはいえない。②更新料条項は、一般的には賃貸借契約の要素を構成しない債務を特約により借主に負わせるという意味において消費者契約法10条に該当する。③賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額すぎるなどの特段の事情がない限り消費者契約法10条に該当しない。④更新料の条項について、契約書に一義的かつ明確に記載されているし、更新料の金額にしても期間等を照らし合わせても高額すぎるとはいえない。上記のような趣旨での判例が出た事によって、今後の更新料特約の記載のあり方と金額設定があらたな課題となりそうです。

税務調査の種類と留意点

税務調査、あまり心地のよい響きではありませんが、向き合わなければならない事です。のちに述べますが、いくつかの項目を日常業務の上で留意しておけば、とっさの調査に対応できると思います。税理士とタイアップして上手な節税を心がけて下さい。まず、税務調査には大きく分けて6種類の調査方法があります。①強制調査、これはもっとも受けたくない調査で通称(マルサ)と呼ばれてます。計画的で悪質な脱税犯で裁判所の許可状を得て行うものです。国税犯則取締法による強制力を持っており国税局が担当し、通告処分、告発を最終目的とし、臨検捜査、差押え等の権限が認められております。②任意調査、これが馴染みある?といえば変な言い方になるもしれませんが、一般の税務調査です。適正・公平な課税の為に行われるものですから、質問検査権として認められる範囲において納税者の同意を得て行われるものです。ただし、正当事由なく拒否できませんので間接強制を伴う任意調査とも言われています。③準備調査、実地調査の前に、納税者から提出された確定申告書や資料情報によって調査を行い、申告漏れや、経営者のデーターや特異科目や金額、比率等が分析、検討され、どこに調査ポイントを置くかが絞り込まれます。④実地調査、実際に納税者の事務所等に出向いて行う調査です。⑤現況調査、納税者に対して通知なく行われる税務調査です。任意調査については事前通知が原則ですが、現金取引商売や脱税が想定される場合には証拠書類が隠されてしまうので通知のない調査が認められています。
しかし、強制力はありませんので正当事由あれば延期を申し入れることが出来ます。⑥反面調査、納税者自身の調査だけでは、不審点が解明できない場合、あるいは納税者が調査に素直に応じない場合などに認められている取引先や銀行などへの補完的調査をいいます。この調査は信用問題にもなりかねるのである意味一番受けたくない調査ですね