トピックス


2011年6月アーカイブ

離婚における慰謝料 

相手の不貞などでの離婚の場合、精神的苦痛などで支払われるのが『慰謝料』である。これは税法では非課税となっています。金品の受け渡しがあっても贈与としてとらわれないのかと疑問がわく方もいるでしょう。では、なぜ非課税なのか...それは夫婦の財産は夫婦で協力して築き上げたものであり、財産の名義が片方のものであっても相手の持分が混じっているはずです。離婚をきっかけとして持って行くだけでなので贈与ではなく『財産分与』として考える。しかし、相手に対しての慰謝料を捻出するために建物や土地を他人に売却すると、譲渡所得税が課税されることになるし、慰謝料のかわりに建物や土地で代物弁済をした場合にも譲渡所得課税される。

ZEIRISHI

zeirishi?税理士の事?そうです、この度日本税理士会連合会は『税理士』の英語訳について次の通り決定しました。①税理士の英語訳はCertified Public Tax Accountantとする。②使用場面により、税理士のローマ字表記『ZEIRISHI』を使用する。その場合、必要に応じて現行の英語訳を併記する。
日税連は昭和45年に税理士の英語訳を現行のものにすることを決定し、それ以降使用してきたが、この英語訳が税理士の職業を適切に表現しているか、外国人に理解されやすいかなどの疑義が出ていた。こうした状況を受け、国際委員会が今般の取り扱いをまとめた。仮に、現行とまったく異なる英語訳を採用した場合、新たな専門家制度が創設されたかのような誤解や混乱を招きかねないことや新訳の定着に多大な労力と時間を要する事も考慮した。今日、税理士は会計参与、地方自治体の外部監査人、登録政治資金監査人など、様々な業務を担うようになり、その独自性は強まる傾向になる。
そのため『ZEIRISHI』を用い独自の税理士制度を外国にアピールすることとした。

サービス付き高齢者住宅による節税

土地保有者にとって相続税対策の効果として有効なのが、賃貸建物の建設による家屋及び土地の評価を引き下げることと言われてますが、必ずしも有効な手段とは思えません。賃貸建物を建てても入居率が悪く投資資金が回収できない、まして融資を受けての建築なら借入金返済が出来なくなる事態もありえるからです。しかし、この度の税制改正法案で上記の不安を少し和らげることになりそうです。
その法案が、『サービス付き高齢者向け住宅』として登録する『高齢者居住安定確保法』です。
どのような法案かというと、原則1戸当たり25平米以上(共用の居間・食堂・台所等が十分な面積を有する場合は18平米以上)でバリアフリーであり、居宅介護サービス事業者の職員等が常駐するなどの緊急通報及び安否確認サービスの体制があること、その他一定の要件を満たすと登録することができ、新築の場合は補助率が建築費用の10分の1で最大、住宅1戸当たり100万円、共用施設にかんしては、1ヶ所当たり1000万円の補助を受けることが出来ます。また『サービス付き高齢者住宅』について次のような特例処置が予定されています。①賃貸住宅にかかる不動産収得税の特例処置の適用対象とされ、1戸当たり1200万円軽減②建物に係る固定資産税につき当初の5年間は3分の1に減額③建物の減価償却費につき、耐用年数35年未満のものは28%、耐用年数35年以上のものは40%それぞれ割増償却の適用。上記のようなメリットがあるからといって、『サービス付き高齢者住宅』を建てれば成功するかといえばそんな簡単なものではなく、市場調査や経営不安のない居宅介護サービス事業者を選定など、綿密な調査も必要であることが重要であることも考えてほしいです。

印紙税の課税対象

不動産取引だけでなく課税文書には印紙税法上課税されます。それでは課税文書とはどういうものか?
①印紙税法に掲げられている20種類の文書により証明されるべき課税事項が記載されていること。
②当事者間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
③印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。この3つの要件で判断されます。印紙税はひとつの契約について2通以上の文書がそれぞれの契約の成立を証明する目的で作成されたものであればすべて課税対象となります。実務上は契約の当事者一方が所持するものを正本、他方が所持するものに写し、副本、謄本等と表示することがありますが、
次のような形態のものは契約の成立を証明する目的で作成されたことが文書上明らかなため課税対象となります。①契約当事者の双方または一方の署名押印があるもの。②正本等と相違ないこと、または写し、副本、謄本等であることなどの契約当事者の証明のあるもの。なお、所持する文書に自分だけの押印があるものは、契約の相手方当事者に対して証明の用をなさないものや、契約書の正本をコピー機で複写しただけのものは単なる写しにすぎないため課税対象となりません。

それぞれの税金・・・冠婚葬祭編

会社役員は社内の事だけでなく、社外行事での冠婚葬祭は多くの支出があります。そんな行事に関与する場合はどのような税金と向かい合わないといけないか、ここではいくつかの具体例をあげて紹介いたします。
A社の役員の還暦祝いの時に社内で祝賀会を行い、会社がその費用を一部負担した場合ですが、そういった祝い事は個人的なものであり、福利厚生と考えても役員だけへの給与や賞与として見られ、損金扱いにはなりません。次に取引先や会社役員も参列したA社の社長の結婚披露宴の場合ですが、これも私的な行事であって個人が負担すべき費用となります。
たとえ、会社の取引先を等を招待してもそれは社長としての社会的立場によるものであって、それが会社の経営や業務を実施する上で必要な行事とはいえないので、交際費としての計上はできません。
冠と婚の一事例をご紹介させて頂きましたが、次は葬と祭について具体例をあげて紹介します。
B社の創業者である社長が亡くなり、その功績をたたえて社葬としました。その社葬に係る費用と退職弔慰金の取扱ですが、社葬の原則的な取扱いは個人的な儀式なので遺族が負担するものであり、社葬にした場合は会社から遺族に対する贈与として取り扱われ、遺族が会社関係者なら給与もしくは賞与となります。しかし社葬が社会通念上相当と認められる場合があり、その場合は社葬のために通常要すると認められる部分の金額は支出した日の属する事業年度において損金の額に算入する事ができます。それでは社葬のために通常要すると認められる金額とは。これは明らかに遺族が負担すべき費用は認められないということです。たとえば、密葬の費用、墓石、墓地、仏壇、位牌等の買い入れ、院号をうけるための費用、香典返しの費用、法事に要する費用等以外、いわゆる会葬費ということです。次に退職弔慰費の取り扱いですが、
これは退職金と退職弔慰費と区別して考えます。死亡退職金は相続税法上相続人が取得された物として非課税所得であり、退職所得による所得税の源泉徴収義務はありません。受け取った遺族はみなし相続財産として相続税の課税財産に加える必要がありますが、一定額まで非課税です。弔慰金は①業務上の死亡である時・・通常給与の三年分相当額②業務上の死亡でない時・・通常給与の半年分相当額であるときは税法上の死亡退職金とは別に支払い時に損金となります。

災害見舞金等の税務上の取り扱い

この度の東日本大震災で被災された方々に対して多くの義援金が寄せられています。これは素晴らしい事であり、阪神淡路大震災を受けた関西人としても嬉しく思います。ぜひ、この多くの支援とエールを有効にそして迅速に使ってもらいたいと心より願います。
そこでその支援をされた多くの個人・法人による東日本大震災における義援金・災害見舞金等の費用に関して、国税庁より税務上の取り扱いを示しておりますのでご紹介させて頂きます。
①従業員等に支給する災害見舞金等・・・災害により被害を受けた従業員等(その親族や自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員またはその親族)に対して支給する災害見舞金品は福利厚生費として損金の額に算入されます。
②災害見舞金に充てるために同業団体等へ搬出する分担金等・・・法人が所属する同業団体等の構成員の有する事業資産について災害により損失が生じた場合に、その損失の補てんを目的とする構成員相互の扶助等に係る規約等に基づき合理的な基準に従って、同業団体等から賦課され、搬出する分担金等は、その支出する事業年度の損金の額に算入されます。
③取引先に対する災害見舞金等・・・法人が、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程においてその取引先に対して行った災害見舞金の支出。事業用資産の供与等のために要した費用は、損金の額に算入されます。
④取引先に対する売掛金等の免除等・・・災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として売掛金、貸付金等の債権を免除する場合には、その免除することによる損失は寄付金又は交際費等以外の費用として損金の額に算入されます。

相続時精算課税制度...贈与者の年齢引き下げ

平成15年に創設された相続時精算課税制度も利用者が25万人をこえ、すっかり定着したといえそうです。そもそも相続時精算課税制度とは、65歳以上の親からその年の1月1日現在20歳以上の相続人に対して贈与した場合に2500万円までは特別控除され(住宅取得等資金贈与はさらに500万円など)それ以上は一律20%の税率で課税される制度です。この度、改正案では贈与者をその年の1月1日現在60歳以上に引き下げるとともに、祖父母からの贈与も相続時精算課税制度適用対象に加える事としていきます。したがって、その年の1月1日現在20歳以上の推定相続人または20歳以上の孫という事になります。贈与時点で贈与税が課税されない、あるいは20%の税率で済むのですが、贈与者に相続が発生すると相続税の課税対象に取り込まれますので、原則として相続税対策にはなりません。しかし、相続税の課税対象となるのは、相続時の評価ではなく贈与時の課税価格ですので、値上がりが確実な財産を贈与すると効果が期待できます。また高収益を生む有価証券や、賃貸不動産などの贈与の場合、贈与税も相続税も課税されずに収益を次世代に移転できる事になります。